従魔契約

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「……この魔道具だが、恐らく帝国軍で使用されている通信機だろう。 しかも、数回使用しても壊れない特別製。 こんな代物を持っている兵士はそう多くはない」 「将校クラスか一部の兵士のみに支給される特別な魔道具、か」  となると……。 「奴らはもしかして、帝国の……間者?」 「そう考えるのが妥当だろうな」  ようやく、これまで得た様々な情報が繋がってきた気がする。  ここ数年で王都からヴェルエスタ領で目撃される山賊の増加。  この全てが帝国兵という訳ではないだろうが、ヴェルエスタ領各地の村を襲った山賊や俺が直に蹴散らした賊共は、帝国の間者ないしそれに準ずる奴らで間違いないだろう。  だが、なんの目的で?  戦争間近だと聞くが、その事前準備として共和国を内部から崩壊させるのが狙いなのか?  だとしたら、エンドラを捕えようとした理由はきっと……。 「エンドラ、奴らがどうしてお前を捕えようとしてたか見当はつくか? なんとなく、お前を本気で捕えようとしていたとは思えないんだが」 「んー、そういえばあいつらこんな事言ってたかも。 神竜を怒り狂わせ、王都を混乱に陥れよ。 そして我らの命を帝国に捧げるのだ。 とかなんとか」 「…………」  どうしてこう、悪い予感ばかり的中するんだ。  いい加減にしてくれ。  と、歯軋りを響かせていた最中。  唐突に、遠距離念話(テレフォン)が繋がった。
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