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最強無敗の少年は圧倒的な力で戦場を制す
「悪い、ガルさん! 話の途中だけど用事が出来たから、これで失礼させて貰う! 報酬金はいつも通り、預金でお願い!」
「なに? 待つんだ、カズト。 いきなりどうしたと……」
ガルさんが呼び止めるも、俺はスタスタ扉へ向かっていく。
「行くぞ、エンドラ。 お前の力が必要になるかもしれん、力を貸してくれ」
「はーい。 ご主人様の仰せのままにー」
一万の軍勢だ。
広範囲大魔法を使えば殲滅は容易いが、準備にそれなりの時間がかかる為、その間に犠牲者が出る可能性がある。
リルやセニア達も頑張ってくれるだろうが、あいつらだけで間違いなく止めきれないだろう。
だがエンドラが……俺の三割の本気を受けても幾度となく立ち上がったエンドラが加われば、進行を阻止する事ぐらいなら出来る筈。
その一抹の希望に賭けるしかない。
と、意気込みながら扉を開けると、退屈そうに待機していたメリルが視界に入ってきた。
向こうも同じタイミングで気付いたらしく、俺と目を合わすと嬉しそうに微笑んだ。
「あっ! お帰りなさい、カズトさん! クエスト完了出来ましたか?」
「ああ、そっちは問題ない。 ただ……」
「ただ……?」
メリルを巻き込みたくないと思いつつ、かといって蚊帳の外にさせたくなかった俺は、現在のヴェルエスタ領について、かいつまんで説明をした。
すると、話を全部聞き終わったメリルは、突然血相を変えて。
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