最強無敗の少年は圧倒的な力で戦場を制す 

2/6
前へ
/381ページ
次へ
「リュート様! お父様達には私から説明しておきますので、リュート様は今すぐヴェルエスタにお戻りください! 今のヴェルエスタ領には、貴方が必要な筈です! 貴方が守るべきもの、守りたいものをその手で守ってきてください! ヴェルエスタ家の子息として、そしてリュート=ヴェルエスタとして!」 「……! ……わかった、行ってくる。 後の事は任せた、メリル!」 「はい。 行ってらっしゃいませ、リュート様。 ご武運をお祈りしております」  道中、受付のお姉さんをナンパしていたアインともすれ違ったが、アインには適当に理由をつけてはぐらかし、俺とエンドラはギルドから飛び出した。 「くっ……!」  相変わらずここの通りは人が多い!  これだから都会は!  どこか人通りの少ないか?  流石に人混みの中でテレポートを使うわけにはいかない。  どこか良い所はないか。  人通りが少なくて、なおかつ暗い場所は……って、そういえば確かあそこの路地裏に誰も通らない、都合の良い場所があった気が……。 「エンドラ、こっちだ!」 「ほーい」  エンドラを連れて潜り込んだそこは、かつてセニアを村に誘ったあの裏路地だった。  ここなら人に見られる心配はない。   「こんなとこ来てどうするの? というか、用事ってなに?」 「今からテレポートする。 どこか俺の身体に触れていてくれ。 一緒に跳ぶぞ」  何か言いたげなエンドラだったが、観念したのか、俺の手を握る。 「いいよ、お兄ちゃん。 いつでもどーぞ」  左手に広がっていく、エンドラの温もり。  俺はその、人ならではの暖かさを感じながら、転深の腕輪を発動させた。 「よし……じゃあ行くぞ、エンドラ! テレポート!」  やはり転深の腕輪は凄い。  魔法の中でも制御の難しいテレポートも何のその。  本来であれば一人転移させるだけでも一苦労なテレポートなのに、多人数同時に転送させてくれるとか、流石はチートアイテム。  規格外だ。  お陰でシャドウナイツの拠点。  森の中に作られた円卓会議場へと、一瞬にしてやって来る事が出来た。  転深の腕輪様々である。    
/381ページ

最初のコメントを投稿しよう!

208人が本棚に入れています
本棚に追加