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「やっぱり広範囲魔法で殲滅した方が早そうだな」
……っと、いかんいかん。
準備をする前に、エンドラが無事あいつらと合流出来たか確認しないとな。
「千里眼」
視界が遮られない限り、なんキロ先でも見通せる肉体強化系スキル、千里眼。
俺以外にはまず使える者は居ないであろうそれを使い、村の入り口付近を見てみると、セニアが魔物を斬り伏せながら騎士や冒険者に指示を飛ばしている所だった。
流石はセニアだ、頼りになる。
おっ、エンドラが合流した。
飛来した当初は皆エンドラに剣を向けていたが、テレパシーで話を通しておいたセニアは気がついたようで、共に魔物を倒し始めた。
その光景を見て仲間だと知った騎士達も、エンドラの援護を開始する。
リルもありがとな、人間の為に戦ってくれて。
よし、これで魔法の準備に入れる。
味方を巻き込まず、かつ敵を殲滅出来るあの新魔法の出番だ。
だがまずは、下準備として……。
「テレポート」
村人にこの姿を見られるだろうが問題ない。
誰も俺がリュートだと気付く筈が……、
「おい、なんだあいつ! 魔族か!? 急に現れたぞ!」
「敵の新手か!?」
誰が魔族だ。
確かに少し怪しい格好をしているし、浮遊してるから怪しむのもわかるが、人外扱いは酷くないか。
「貴方、あれってもしかして……」
「………………」
な、なんで父さん達がこんな前線に!?
……いや待て、落ち着け、俺。
領民を守るのは領主、ひいては貴族の務め。
父さん達がここに居るのはなんらおかしい話じゃない。
一旦深呼吸しよう。
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