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「……よし、俺もそろそろやるとしようか。 まずはそうだな、小手調べに……」
昨日の戦いから逃げ延びた兵士が報告した影響か、木陰から見えるだけで、数十人が警備についている。
それなりの戦力だ。
普段のように力を抑えて攻略しようと思ったら、結構な労力がかかるだろう。
だが今回は奴らにツケを払わせる為、俺を敵に回すとどうなるか理解させる為、殆どの兵士を始末する必要がある。
この程度の戦力じゃあ話にならない。
堅牢な外壁ごと、全て焼き払ってやる。
「……! 何者だ、貴様! ここで何をしている!」
「おい! 聞いているのか、貴様! さっさと名乗れ! 名乗らぬなら帝国の法に則り、貴様を捕縛……」
「メルトキャノン」
山から突然飛び降りてきた俺に兵士達が武器を手に距離を詰めてくる中、俺は意に介さず熱線を発射。
放たれた熱線は真っ直ぐ外壁に飛んでいき、着弾した直後に起きた爆発が、鋼鉄の扉もろとも外壁を吹っ飛ばした。
「なっ……!」
「き、貴様! 何を……」
遅い。
「がっ!?」
手前に居た兵士の首を手刀で一刀両断すると、
「ひっ!」
それを目撃したもう一人の生き残りはガタガタと剣を震わせ、怯えを見せる、が。
「う……うあああああっ!」
殺されるぐらいなら殺してやると言わんばかりに、兵士は斬りかかってきた。
しかしその剣は俺の指先一つで軽々と受け止められ、男はより恐怖を滲ませる。
恐れを感じている人間を殺す事は道義に反するが、今の俺は悪鬼羅刹。
手加減など一切するつもりはない。
ドスッ。
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