幕間 ──1──

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「何しに来やがった。 まさかまたあの話か? 何度も断ってんだろ、てめえの片棒を担ぐつもりは……」 「あら、それは残念。 今のレジン様ならわたくしの崇高な目的に手を貸してくださると思いましたのに、本当に残念ですわ。 ……わたくしでしたら、レジン様の中で燻る復讐心。 悪感情を導き、わたくしの可愛い子達を葬ったかの化物を殺す手伝いが出来ますのに、残念でなりませんわ」 「……!」  瞳孔を開いて動きを止めた俺を見て、イリーナはニヤリと口角を上げる。  更に彼女は、動揺する俺の耳元に唇を近づけると、続けてこんな事を──── 「わたくしが望むのは魔王様の復活のみ。 例の男には興味ありませんわ。 貴方に差し上げましょう。 ……さあ、どうされますか? わたくしと手を組むか、それとも復讐を諦めるか。 全ては貴方次第ですよ、レジン様」  魔王の復活に手を貸すなど、人としてあるまじき行為。  ましてや相手は魔人族。  信用に足る相手ではない。  それを分かっていながらも、奴への復讐心を抑えられない俺は、気付くと差し出された手を握っていた。 「……わかった、手を貸してやる。 その代わり、奴を必ず死に至らしめろ。 これが絶対条件だ」 「ええ、もちろん。 魔王軍元幹部である四神将イリーナ=アルタイルが、必ず貴方の期待に応えて差し上げましょう。 どうぞご期待くださいませ、ふふふふふ────」    待っていろよ、リュクス=ペンドラゴン。  お前は絶対俺が殺してやる。  お前の大事なもんを目の前で奪ってから、絶望の中でお前を殺してやる。  その時を楽しみにしているんだな、リュクス────!
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