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ハンカチに込められた意味
そんなこんなで迎えた翌日の朝。
「良いわね! 今日はくれぐれも大人しくしてなさいよ! また騒ぎが起こしたらただじゃおかないんだから!」
出掛けにアリンからお叱りを受けた俺は、逃げるよう学園に向けて出発。
途中、実家暮らしのダスティや寮住まいのフィオとも合流し、道中お喋りに花を咲かせつつ、選定会の結果が張り出されている掲示板へと足を運んだ。
「リュートは何組になりましたか? ちなみにわたしは三組で、ダスティは……」
「一組だったぜ!」
なんだ、皆違うクラスなのか。
残念だな、どうせなら一緒のクラスになりたかったのに。
「俺は二組みたい」
「なーんだ、皆バラバラかよ。 ついてねえな」
「折角お友達になれたのに、残念です」
運がないというより、これは恐らく学園側の操作。
実力者が一ヶ所に集まらないよう、分散させた結果なのだと思う。
「ねえ聞いた? ヴェルエスタ君、二組なんだって。 ラッキー!」
「えー、羨ましい! あんなお高く止まったお貴族様より、ヴェルエスタ君みたいな人当たりの良さそうな人が断然良い~! うちのクラスなんて、オルガの奴が来るのよ? 冗談じゃないっての」
「それは御愁傷様~。 うちらは我らが首席様に楽させて貰っちゃおっと、にひひっ!」
首席……?
なんの話だ?
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