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「冗談だろ」
「あいつ、わざとスレスレで避けてやがる」
「しかもかなり余裕そう。 欠伸してるし」
皆が呆れる最中にも、マークは息が続くまで攻撃を続けていく。
だが、10回を越えたところで限界を迎えた。
「はあ……はあ…………くそっ、なんなんだよこいつ……! あり得ねえだろ、こんなの!」
「なんだ、もう終わりか? なら次はこっちからいくぞ! 秘技……!」
「ッ!」
攻撃を察したマークは剣を盾にする。
しかし、次の瞬間放たれた俺の秘技。
「鎧通し!」
「がっ!?」
鎧通しとは大袈裟な言い方過ぎるただのデコピンにより、マークは十メートルほどぶっ飛ばされた。
「「「「えぇ……」」」」
ちなみに剣は真っ二つ。
まるで鈍器に何度も叩かれたように、デコピンした部分が木っ端微塵になっていた。
「ば、バカな……こんな事ある筈……! てめえ、本当に人間か!?」
「失礼な、どこからどう見ても人間だろ?」
「「「「いやいやいやいや」」」」
まあ確かに最近、より人間離れしてきた感があるが、俺はまだ自分が人間だと信じてる。
信じてるったら信じてる。
ですよね、女神様。
俺、まだ人間ですよね?
「だったらこれはどうだ! 氷針よ、貫け! アイススパイク!」
懐かしいな。
ツララを飛ばす魔法か。
昔よくリーリンが練習してたっけ。
「おいおい、これがお前の全力か? 俺の知り合いのアイススパイクの方が断然強力だぞ。 しゃあない、見本を見せてやろう。
本物の魔法ってやつをな。 ……アイススパイク」
「……!?」
マークが放ったアイススパイクとは、形も速度も内包された魔力の量すらも桁違いな、ツララもとい氷の弾丸はマークの頬をかすって、数百メートル彼方の大木を薙ぎ倒した。
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