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なんでお前がここに居る
「はあ、疲れた……」
今日は朝からついてない。
首席になったせいで変な奴に絡まれた挙げ句、決闘を挑まれる始末。
唯一良かったのは、俺やフィオに今後一切関わるなと命令出来た事かな。
ダスティの言っていた通り決闘のルールは不可侵条約らしく、あのマークが文句も言わず受け入れた。
色々大変だったが、これからあいつに絡まれなくなるなら、あれも悪くない経験だったかもしれない。
とはいえ今日はもう何も起きないで欲しい所だ。
「まさか朝からこんな事になるとは思いもしませんでした…………なんと言いますか、リュートと出会ってからというものトラブル続きのような……」
「あらあら、フィオさまったら。 もしやお忘れで? 入学初日に面倒事を運んできたのはそちらでしてよ?」
「……あはっ」
「ふふっ」
あらあらまあまあ、忘れっぽい頭ですこと。
治癒師に頭を診て貰った方がよろしいんじゃないかしら。
「お前ら二人揃ってトラブルメイカー過ぎだろ。 ちょっとは俺を見習え。 俺ほどトラブルと無縁の男は居ないぞ?」
「あらやだ、聞きました奥さん。 自分はトラブルを起こさないと自負してますわよ、このゴリラ。 絶対にそのうちトラブル起こしますわよねぇ。 そうは思いません?」
「あらあら、ダスティ様ったら冗談がお上手なんですから。 たまたまトラブルを起こしてないだけで、きっと近々大きなトラブルを起こすに違いありませんわ。 わたくし、人を見る目には自信がありますの。 間違いないですわ。 ねー、奥様」
「ねー」
「……仲良いな、こいつら」
と、ふざけあっていたら、
「ん……? おっと、ここか。 俺の教室は」
いつの間にか自分達の教室の前にやってきていた。
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