強すぎるが故の弊害

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『……ですが、わたくしは心配なのです。 あのグリフォンが襲来した件から、およそ六年。 ご自身のを知ってからというもの、殆んど毎日魔物の駆除をしているではありませんか。 このままではお体を壊してしまいます。 ご友人やご家族を守りたいお気持ちも理解出来ますが、どうかご自身のお身体もご自愛下されば、と思う次第でして』 「リル…………すまん、さっきは言い過ぎた。 俺を心配して言ってくれたのに冷たくあしらって悪かった」 『主殿! では!』 「……けど。 けど、今は手を止める訳にはいかない。 ここで休んだら、今までの苦労が水の泡になる。 それだけは容認出来ない。 だからせめて、村のギルドに上級冒険者が移籍してくるまではやらせてくれ。 頼む」  苦悶が籠った声を聞き届けたリルは一瞬戸惑ったが、最後には肯首してくれた。   『承知しました。 そこまで仰るのならわたしはもう何も言いません。 存分にお力を振るいください』 「ありがとう、リル。 じゃあまずは雑魚を蹴散らそう。 行くぞ」 『ハッ!』  何故こんな事になってしまったのか。  何故秘密裏に魔物を狩っているのか。  それは今から六年前。  グリフォンを倒した一週間後まで遡る。    
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