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「な、なんですか。 いきなり泣いたりして」
「これが泣かずにいられますか! 借金で首が回らなくなったからって、産まれたばかりのカズトちゃんを捨てて親は夜逃げしただけに留まらず! 更には育ててくれたヤクザ屋さんは抗争で全滅! そこへ追い討ちをかけるよう、身を寄せた孤児院の院長さんからの虐待! なんて可哀想な子なの……」
「あー……いやでも、その後出会った義母さんによくして貰ったから別に…………あっ、そういえば義母さん大丈夫ですか? 義母さんを一人残していくのが心残りなんですけど」
「はあっ! 良い子! 圧倒的良い子ね、君! わかったわ、私に任せて! お母様は私が責任を持って幸せにしてあげる!」
「マジっすか! あざっす!」
ふぅ、これで安心して異世界に行けるぜ。
いざ、異世界ライフ!
「じゃあ次は俺の番ですね。 どんな転生特典を貰えるんでしょうか」
「これだけ苦労をしてきたんだもの、次の世界では何もかも上手く行くよう君に沢山の加護を与えるわ! まずはコレ!」
女神様が指を俺の方に振ると、目の前に例のあれ。
ステータスボードなる物が現れた。
「とりあえずステータスはオールSにしとくわね!」
すげぇ。
体力値、スタミナ、魔力量がカンストしている。
他にも魔法耐性や、戦闘技能全てをSランクに固定、かぁ。
これなら恐いもの無し。
どんな奴とだって戦えそう……
「あと、これも付与しとくわね」
「え!?」
マジか。
魔法属性の全属性付与や状態異常完全耐性だけでなく、独自の魔法を作れるチートスキル、創造魔法まで与えてくれた。
「良いんすか、こんなに貰っちゃって」
「良いの良いの、好きに使っちゃって! ついでに言語の全習得とか諸々つけとくわね」
言語の全習得はかなり助かる。
いちいち覚えるのも大変だもんなぁ。
英語覚えるのがどんだけ苦労した事か。
あれをもう一度やるとか冗談じゃない。
有効活用させて貰おう。
「よし、こんなものかしら。 それじゃあ、カズトちゃん! 今から君は異世界に行きます! 次の人生は君次第! 存分に謳歌しちゃいなさい! ゲート、オープン!」
いきなり背後に扉が現れた。
まさかこれが異世界に通ずる…………。
「はい! 俺、次の人生こそは最高のものにします! そこで見ててくださいね、女神様ー! 行ってきまーす!」
こうして俺は異世界へと転生した。
次の人生に期待を寄せて。
どんな世界が待っているのか、今から楽しみだ。
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