赤ちゃんでも最強

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「アンドリュー、もうそろそろお茶にしない? 疲れたでしょう?」 「うん、まあね。 でもリュートを放っておく訳にはいかないよ。 もし魔物に襲われでもしたら……」 「あら、その心配は要らないんじゃないかしら。 むしろ貴方の方が足手まといになりそうだもの。 いつもみたいに」  ごもっとも。 「うぅ……父親の面目が立たないなぁ。 はいはい、今行くよ。 ほら、リュートも」  へいへい、仕方ない。  たまには父さんの顔でも立てると…………ん?  魔力探知(レーダー)になんか引っ掛かった。  魔物か?  方角は目の前の森みたいだが……。  ガサッ。 「!」  うおお、藪からなんか凄いの出てきた。  狼……なのか、こいつ?  にしては妙な威圧感が……。 「リュート? 何して……リュート!」  飛び出してきた冷気を纏う狼に、父さんは剣を抜いて俺を守るよう魔物に立ち塞がる。 「この狼……まさか……………」 「貴方!」 「下がっているんだ、マリア!」  魔法使いの母さんが父さんに加勢しようとしたが、父さんがそれを拒否。  母さんも父さんの様子からまともじゃない相手と悟ったのか、魔物から距離を取り、魔法陣を出現させ待機する。 「この尋常じゃない膨大な魔力……もしかして、この魔物は……」 「ああ、間違いない。 魔王が使役していたという、Sランクの魔物。 フェンリルだ」  フェンリル、キター!  見た目からなんかそれっぽいとは思ったけど、まさか本当にあの有名な魔物、フェンリルだったなんて。  これぞ異世界の醍醐味。  異世界に来て良かった。  ……でもこいつ、父さんの言い方からして多分、魔王直属の配下だったって事だよな。  だとしたら相当高位の魔物な筈。  そんな魔物相手に父さんは大丈夫なのか?
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