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プロローグ
チュンチュン。
「……んあ?」
寝ぼけ眼を窓に向けてみると、朝日が差し込んでいた。
やべ、ぶっ通しでゲームやり過ぎた。
まさかあれから八時間も経っているとは。
どおりで、あと三日はかかる筈だったゲームのエンディングが流れている訳だ。
「ふぁぁ……」
ねみぃ。
時刻は朝の七時。
昨日起きたのが昼の十二時頃だから、もうすぐで…………そりゃ眠くて当たり前だ。
そろそろ寝るか。
…………グゥゥ。
「……腹減ったな」
このまま寝たら、空腹で起きた時起き上がれない気がする。
よし、コンビニに行って軽くなんか買ってくるか。
と、俺は上着を羽織り、財布片手に外に出た。
「うお、さむ。 雪降ってやがる……」
そういえばさっき義母さんからメッセージ来てたな。
道が凍ってるから気を付けろ、とかなんとか。
まったく、心配しすぎだっての。
こちとらもう大学二年生だぜ?
子供扱いすんなよな。
「さっさとコンビニで飯買って、うちで暖まろ……」
俺の住んでる部屋はマンションの二階。
立て付けの悪い外付け階段を登り降りしないといけなく、とても不便。
とはいえ、ここを降りなきゃコンビニにも行けないんだから仕方ない。
いつもと同じく、パパッと降りてコンビニに────
ツルッ。
「へ?」
何が起きたのか、一瞬世界が反転し、そして。
ゴスッ。
「う…………あ…………?」
後頭部に鈍い衝撃を感じた次の瞬間。
視界全てが徐々に闇へと蝕まれていったのだった。
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