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プロローグ
夏希と梨恵は自宅でソファーに座りながら恋愛ドラマを観た。内容は王道の幼馴染男子に恋をする乙女という話だ。梨恵と那月の境遇にも似ている。
「ねぇねぇ、夏希、覚えてる?」
「何を」
どうやら梨恵は昔話にひたっているようだ。
「ほら、中一の時、優美のことがあった時の直前、みんなでショッピングモールに出掛けたときよ」
「ーーー忘れた」
その思い出は夏希にとって苦い思い出だった。
「もう、照れちゃって。本当は覚えてるんでしょ?顔に出てるわよ」
「なっ!?」
「ほーら、やっぱり」
梨恵はケラケラ笑っていた。でも俺にとっては最悪だ。
「ほら、あの時さーーー」
梨恵が話し出す内容を俺は嫌々聞いていた。
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