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 今でこそ平和なフルメイ国だが、かつては魔物が跋扈(ばっこ)する未開の地と隣接した危険な場所だった。  人々は、いつ襲ってくるやもしれない魔物の恐怖と背中合わせの日々を送っていた。  だが長いの戦いの末、ある冒険者達がついに魔物を封印することに成功したのだ。  他でもない、その一団を率いていたのがブルーク・ブルーその人だったのである……。      ※ 「それにしても1年ぶりか? いきなり都からいなくなるから、どうしたのかと思ったぜ」  運ばれてきた料理に合掌してから食べ始めるなり、ブルークはそう切り出す。  対してリアは頬杖をつき、つまらなそうに道行く人達を見つめている。 「どうだっていいでしょ。あたしはあんたと違って英雄って持ち上げられたくないの」 「オレだって別に持ち上げられてないぜ?」 「騎士団長様が? 充分持ち上げられてると思うんだけど」  言いながら、リアは乱暴にスープをかき回す。  そして、真正面に座るブルークをキッと睨みつけた。 「とにかく。あたしは今ここで充実した生活を送ってるの。それを食べたらとっとと帰って!」  ブルークはしばしリアを見つめていたが、おもむろに食べるのをやめ生真面目な表情を浮かべた。
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