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トプカプ宮殿 エーメ揺れ動く想い
トプカプ宮殿 庭園の噴水それに美しい薔薇の花が咲き乱れていた
「薔薇水だよ それに菓子のロクム」皇子セリㇺ
「まあ、ありがとうございます」エーメことナクシデイル
軽く触れる手 指先の感覚
エーメ、ナクシデイルは
時折、向けられる皇子セリㇺの優しさや視線に
戸惑いと共に心が震えるような暖かな気持ちが沸き上がる事も少なくなかった。
でも、エーメは自分の望み
両親は幼い頃に亡くなっていたが、従妹のジョセフィーヌ達に
懐かしい大事な友人たち
せめて手紙を届けたい また一目でいい 逢いたい
故国への思慕さえも‥。
皇帝の妻の一人になれば
信じられない程の富も与えられるともいう 権力は多くの望みをかなえてくれるとも
気持つが振り子のように揺れ動く。
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