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確かに誰かを刺したか殴ったか、または何かをしたという記憶はあった。それは彼の妻の芳江に対してしたことの記憶だったような気がするが本当はどうなのだろうか。真一はそんなことで頭の中が混乱していた。
「オレは誰を殺めたのだろうか?」と彼は独り言をした。彼は芳江を殺したつもりで別人を殺してしまったのだろうか。だとしたら誰を殺したのだろうか? 彼はそのことが気になって悩んでいた。
真一の自宅に刑事は来た。刑事が逮捕をするために来たかと思い怖かった。彼はその刑事と玄関で話した。
「奥様は戻られましたね。奥様はいますか?」
「いません。でかけています」
「奥様に関する話とあなたについての話をします」
「はい」真一はと少し心配した。
「吉田美穂という人をご存知ですか?」
「知らないです」
「奥様を恐喝していた女です」
「妻はその吉田さんとはどういう関係なのですか?」
「ただの犯人と被害者でしょう」
「妻はどこでその人と知り合ったのでしょうか?」
「はじめて会っていきなり恐喝をはじめたのではないですか」
「はじめて会った時からずっと恐喝をされ続けていたということですか?」
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