疑惑

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 真一は妻を殺めたかもしれなかった。  自宅で真一は家族や親族と話し合った。真一は妻の芳江と子供二人と東京都の郊外の一戸建ての住宅で暮らしていた。当然真一は妻の芳江は死んだと思っていたが確かに違和感があった。  警察から連絡が来て刑事が真一の住む自宅に来たのだ。「とうとう刑事が来たのか?」と彼は不安だった。  室内には子供たちがいた。彼は子供たちに玄関に来るなよと言っておいた。 「奥様の遺体が発見されました」と午後七時ごろに来て空は暗くなっていたが玄関先で刑事は言った。 「まだはっきりとは奥さまの遺体とはわかっていないのです」  刑事は妻の遺体がどんな状態だったのかを説明した。  そのことを妻の家族と電話で話した。その時真一は彼自身を遺族と呼ばれる立場なのだなと自覚した。  でも芳江の葬儀はしなかった。芳江の親族はまだ彼女は死んだとは言えないと主張した。 「死んだのは、本当に芳江かしら?」と、芳江の姉は芳江が死んだという話は本当ではないのではないかとうたがっていた。 「電話で、芳江の職場の人と話したら出張に行った、と言っていたわよ」芳江の姉は話していた。
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