殺陣と三味線

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殺陣と三味線

両親は四国の出、わたしの本籍地も親父の実家からいっぺんも移していないが、わたしは生まれて数ヶ月から1度目の大学を卒業した年の夏までは近畿で過ごしたので、関西弁が標準語。 予備校で知り合った大阪の子らが、何度か会話中に 「出たっ。神戸弁っ。」 とわたしに言うたことがある。 例えば、「~しているよ。」を、「~しとうで。」とは、大阪の人は言わんらしい。 「来ない」を「こうへん」は大阪、「けえへん」は京都、神戸は「きいひん」と言う、とは最近知った。 そんなわたしやから、土曜は学校から帰宅すると『吉本新喜劇』を観るのが定番やった。 あの頃は、土曜も4時間目まであったからね。 「半どん」って標準語やったっけ。 ほんで、集団下校して、帰宅したら昼食摂りながらの新喜劇。 親父は子供の教育に無関心やったけど、母親は、特に長子のわたしには厳しかったし、高学年になったら、中学受験のために更にテレビを観る時間を制限されて新喜劇もお預けになったものの、そんな母親とて演芸が嫌いなわけやなかったから、まだ塾に通いだす前までは一緒に観ていた。 わたしが小学校低学年の頃に好きやった新喜劇の俳優は、木村進。 ボケもツッコミもスマートで、大好きやったし、持ちギャグ「許さ~ん」や、「赤の他人です」、更にそこから「レッドの他人です」ちゅうのも真似した。 彼の後継者、とわたしが勝手に思っている内場勝則も大好きで、 「え、そんなんできるんですか。」 を自分も使いたくてしょうがなかったけれども、なかなかそんな機会はなく、たまたま使える機会があったとて、使ったところで気付く人もおらず。
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