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「52ヘルツのクジラたち」町田そのこ
「今年読んだ中で一番良かった」と、読書好きの友人が紹介してくれた。
題名に「クジラ」が入っているところに興味を覚えて、どんな内容か訊いてみると「DVの話なんだけど」と言う。
DV問題を扱った作品か。
自分には向いてないな、と思った。
けど、「すごくいいラストだった! ちゃんと救われるし」と言う。
「ふーん、まあ、チャンスがあれば読んでみるよ」と、その場をやり過ごした。
ところがある日、図書館に行くと件の作品が「本屋大賞受賞作品」として棚に置かれているのが目に入った。
本屋大賞は、本屋さんの投票で決まる賞だ。
きっと一般大衆に人気のある作品なのだろう。
それなら、それほどハードな内容ではないだろうと、高を括った。
【感想】
内容にはあまり触れないでおくつもりだけど、ネタバレになるかもです。
ご了承ください。
前半から中盤まで、主人公が受けた家庭内DVの様子と、主人公の心情がこれでもかというくらい丁寧に書かれている。
胸が痛い。かなりキツイ。
本を閉じようとしたけれど、ここで止めたら辛いだけで終わってしまう。
最後の「救い」を求めるように、読み進めた。
「孤独」に押しつぶされそうになった人は、きっとたくさんいる。
「声が届かない」と絶望した経験がある人もたくさんいるだろう。
けど、本屋大賞を受賞したということは、この作品によって救われた人も多いのだろう?
だとしたら、この作品はとても素晴らしいと思う。
とはいえ。
個人的には、DV系を読んでも大丈夫な人におススメする。
福祉に携わっていて、誰かを救いたいと思っている人なら、なおさら読んで欲しい。
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