「笑って人類!」太田光

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「笑って人類!」太田光

分厚い、分厚い、とは聞いていた。 とにかく文字数が多い、とも。 果たして。 図書館で手にした時、こりゃ2週間じゃ返却出来ないな、と確信した。 ページ数532ページ。しかも2段構え。 400字詰め原稿用紙1188枚。 凶器になるサイズだった。 とりあえず、寝る前に少しずつ読もうと思い、本と一緒に布団にもぐる。 きっとすぐに眠くなると踏んでの、抱き枕ならぬ、お抱え本だった。 ところが。 へえ。ほほう。なるほど。ふむふむ。。。。と読み進め。 気づけば、2時間3時間が平気で経過していた。 「ヤバい、早く寝ないとっ!」 続きが気になりつつ、無理やり本を閉じる。 そんな日々が14日続いたある日、完読してしまった。 そう、2週間で読めちゃうのだ。 無理なく、飽きもせず。 ただし、完璧な寝不足にはなるけれど。 感想。 新作なので、内容にはあえて触れない。 読んでのお楽しみだ。 まずは、めちゃくちゃ面白かった! 全く緩むことなく、読み続けられる。 読書好きなら、長い話は無理!という人でも、スラスラ読めると思う。 是非トライして欲しい。 「子供達よ、信じるんだ。未来はいつも面白い」 作品の中で何度も出てくる言葉。 天災、戦争、テロ、政治不信、虐め、などを題材に、面白おかしくわかりやすく、ドキドキハラハラを含ませながら、平和へのメッセージで溢れている。 なんていうのかな。 結局、人は「信じたい」んじゃないかな。 絶望すればするほど、なにか信じるものを欲する気がする。 闇を信じるか 光を信じるか どちらを信じるかで、世界の明暗が分かれる。 この作品は、熱心に根気強く、そして丁寧に子供達に向けて語りかけている。 くだらない大人はやがて死んでしまう。 そしたら、今度は君たちの出番だ。 さぁ、ウォーミングアップをしろ。 未来はきっと面白い。 笑える未来を信じろ。 それは、君たちの未来だ。 終わり。 74ab1d03-20d3-4435-b93e-2daf9113e080 2023年12月9日。駿河湾にて
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