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「結婚しよう」
なんて名前の花かは、いつも分からない。
男性はピンクや紫や白…、とてもカラフルで綺麗な花束を女性にプレゼントしている所だ。
「うん……っ」
貰った花束を両手に抱える女性。
そうして2人はどこかの砂浜で永遠を誓う。
男性の顔も、女性の顔も、いつも霧がかかっていてよく見えない。
だけど2人が幸せである事は痛い程伝わってくるのだ。
そんなイメージが遠い昔の事のように時折湧いてくる。
***
コツン。
頭に軽い痛みが走り、顔を上げる。すると数学担当の鬼部先生が鬼のような顔で私を見下ろしていた。
「宮崎……、お前また居眠りしてたな!」
「すっ、すみません!」
「廊下に立ってなさい……!」
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