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【はじまりとおわりのさくら。】
*
『好きです、付き合ってください』
彼女とは、桜吹雪が舞う中ほかにだれもいない教室で告白した。
突然の告白に戸惑っているようだ。
当然だ、いままでは仲の良い先輩と後輩で彼女からしたら兄のような存在だっただろうから。
『もうちょっと考えさせて』と彼女にいわれ、1週間後にロッカーに桜色のかわいらしい便箋が入っていた。
なんだろう、と訝しみつつ封を切ると彼女らしい端正な字で綴られた手紙だった。
『こないだは、ありがとう。
あと、待たせてごめん。
付き合ってるのは、秘密にしてくれるならいいよ。
女子同士は、いろいろややこしいから。
この手紙読んだら捨ててね、バレたらやだから。
…あと、ちょっと恥ずかしいから』
そう書かれた手紙には、桜の花びらもいっしょに迷い込んでいたようで桜の花びらも入っていた。
この手紙は、捨てずに勉強机の引き出しに保管してあるのは内緒で。
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