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それから数年が経ち、彼女とは卒業して最初は連絡を取っていたが、おたがいに忙しくなって気付いたら連絡を取ることもなくなって自然消滅していた。
『あっ、みてみて』
いまの彼女を膝に乗せながら髪の毛をいじっていたら彼女からスマホの画面をみせられた。
そこには、髪が伸びた彼女と彼氏、いやいまは旦那とのツーショット写真が映し出されていた。
指には、銀色に光るシンプルな婚約指輪を嵌めていた。
『幸せそうでよかったよ』
そういって彼女の門出を祝うつもりで、"いいね"を押した。
『ちょっと、わたしのアカウントで勝手に押さないでよー。まあ、押すつもりだったからいいけど』
いまの彼女は、そういいながら俺に髪の毛を委ねている。
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