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「なにが『久しぶり』なの?帰国してきてからは毎日顔合わせてるでしょ?」
「いや、一応礼儀として?」
「変に律儀なんだから、依兎くんは」
2人で進む道も、きっと楽ばかりじゃないんだろうけど。最初に会ったあの日から美月が好きだから、この選択しかあり得ない。
思えば幼稚園児だったあの日も、俺のために電話してくれたんだよな。
「美月。俺たち、今日からずっと一緒だから」
「そうだね」
「病める時も健やかなる時も、ずっと一緒だから」
「今から誓ってあげるわよ」
「だから『久しぶり』なんて。もう2度と言わないから......!」
俺は恥ずかしいくらいの大声で美月に誓い、大切な彼女のその手をひいて、まっすぐにチャペルへと向かう。
『そうしてください。お幸せに』
最後にハッキリ聞こえたムーンの言葉が、耳奥で響いて消えた。
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