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「あんたは?」 『私ですか?私は相談員の……ムーンとお呼びください』 ムーン?月ってことか。いや、でも相談員側は別に本名で良くないか? 『ラビットさん?どうしました?お悩みを話してくれる気になりましたか?』 「学校に、行けてないことなんだけど......。いやごめん、やっぱもう切る。喋るの疲れた」 もう二週間以上、親とさえまともに話していないのだ。だから自分の声が普通に出たことにちょっとだけテンションが上がったものの、会話らしい会話に疲れたのは本当だった。 『また、かけてきていただけますか?』 「気が向いたら」 『お待ちしていますねラビットさん。それでは失礼いたします』 無理に会話を引き延ばすこともせず、ムーンはあっさりと電話を切った。
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