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『こちら満月(まんげつ)ホットダイヤルです』 「どうも。久しぶり」 結局、それからまた半月後に同じ番号にコールしてみた。当然だが前回と同じ声が聞こえてくる。 『もうかけてくださらないかと思いました』 「俺だってこんな電話かけたって仕方ないと思ったよ。でもまあ、誰かと……人と話すのも悪くないと思っただけ」 『でしたら登校を再開しませんか?先生もクラスメイトも、あなたをお待ちのはずですよ。それにサッカーチームの皆さんも』 分かった風なことを言うなよ。 『もうすぐ受験生じゃないですか。希望の高校に行きたいのなら、きちんと単位をとらないと』 「どうだっていいだろっ」 つい声を荒げてしまって、すぐヤバいと思う。せっかく心配してくれているのに。
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