第二話 すみちゃん来ない

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第二話 すみちゃん来ない

 ご飯を食べ終わるとママと一緒に牧場へ行った。   「ももちゃん、すみちゃん来る前に牛さんにご飯あげとこうね」 「うん。すみちゃん、いつ来る?」 「もう少しだと思うよ」  もう少しですみちゃん来る。  あたしは牛さんにご飯。  牛さん、もぐ もぐ。  美味しそうに食べてる  ぶるるる ぷるるる  ママのスマホなく 「もしもし、あ、うん。わかったぁ」 「ももちゃん、すみちゃん来たって」 「本当!」  すみちゃんきたぁ〜  あたし、ママ抱っこ。うしさんのる。 「さあ、夢行くよ」 「ゆ、ゆ、ん何?」 「ゆ、め。夢よ」 「ゆ、ゆめ〜」  あたしはゆめに。ママは大きい牛さんで牧場でた。  とこ とこ とこ  牛さんゆっくり。  すみちゃんの声聞こえた。もも言ってる。 「すみちゃーん。すみちゃーん。ママ、すみちゃんどこー」 「牧場の下の方だと思うよ」  とこ とこ とこ  牛さんゆっくり。遅い。すみちゃん帰っちゃう。  すみちゃん、見えたぁー。 「すみたちゃーん、すみちゃーん」  あたし手を振った。 「すみちゃーん」  また手振った。  すみちゃん、あたし見る。  すみちゃん、後ろ向く。  すみちゃん、走ったぁ。 「すみちゃーん」 ……… 「ママー。すみちゃん。行っちゃった」 「すみちゃん、どうしたんだろ。電話かけてみるね」  ママ、スマホ。  ママ、びっくり。お顔暗い。 『どうして?』 「ママ…」  ゆめゆっくり ゆっくり。 「ママぁ。降りたい!」 「うん。すみちゃん泣いてたって」 『すみちゃんどうしたの?』 「ママ!降りるっ!」 「もも、危ないから!」  う、うぇ〜ん  すみちゃん、今日来ないって…  すみちゃん、あたし嫌いになった。  う、うぇ〜ん 「ももちゃん、ご飯食べよう?」 「いらないっ!すみちゃん来ないから。いらないっ!」  う、うぇ〜ん  あたしずっと泣いた。  泣き疲れて寝た。  ※  ちゅん ちゅん  ん?  あたし、声で起きたぁ。  すみちゃん来てる。  あたし、お部屋からリビング見たっ!  パパ、あたし知らない動物治してる。  足怪我している…  ず、図鑑見る。 『あ、れ、は。ん?しかさん』  どうしてここに鹿さん?  すみちゃんのお友達?  すみちゃん、ずるい!
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