7人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
店主「はい、お客様。お会計でよろしいでしょうか」
客「ああ、お願いします」
店主「いつもと同じく、ホットコーヒーのみ、ですので、350円ですね」
客「いつもコーヒーだけで長居して申し訳ないね。ハハハ」
店主「いいえ、毎日、開店から閉店まで、コーヒー一杯だけで、本当にありがとうございます」
客「あ、それからさ、椅子に座ったらチクっとしてね。見たら画鋲が置いてあったんだけど、あれって、嫌がらせ?」
店主「嫌がらせです」
客「あやっぱり。じゃあ、水のコップの中にね、髪の毛はいっとったんよ。あれもひょっとして」
店主「嫌がらせです」
客「この寒空に俺のとこの後ろの窓だけずっと開けてたのも」
店主「嫌がらせです」
客「そうか、いやぁすっきりした。毎日だもんで、ずっともやもやしとったんだ。やっぱり嫌がらせか」
店主「はい、そうでございます」
客「ハハハ。あんた面白い人だな」
店主「恐縮千万です」
客「まてよ。店に入った瞬間に、顔にクリームたっぷりのパイ投げられたのもあれひょっとして・・嫌」
店主「が、ら、せ!」
客「ウハハハッ!そりゃそうだよなぁ!ハハハ。愉快愉快、なるほどねぇ。えーと、350円ね。1万円札しかねぇけどこれで」
店主「毎日なんで慣れております。お客様、だけ、のために小銭を用意しましたので」
客「申し訳ないねぇ」
店主「それでは、9650円のお釣りでございます」
客「あれ、全部、10円で?ひょっとしてこれ」
店主「嫌がらせ、でーす!」
客「お、重いな、腕折れそうだわ。ハハハ!」
店主「折れればいいのに」
客「ワハハハ。あんた面白いな」
店主「恐れ入ります!」
客「じゃあ、また明日!」
店主「もう2度と来るなーっ!!」
客「ハハハ、笑える。おっと危ない、床に大量の油。殺す気か」
店主「正解!」
客「ウハハハ、じゃあまたなぁ!」
店主「子猫に噛まれて死んじまえーっ!!!」
客「ハーッハハハ」
店主「・・・なんで来るんだろ」
【了】
最初のコメントを投稿しよう!