ミケとわたし達

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 なんだか恥ずかしいではないか。わたし一人で興奮してしまっているみたいだよ。なんて思って俯いていると高男さんが、 「それで真歌さん、俺がこの店に居たことは覚えていないですか? っていっても俺もさっき思い出したばかりだしそれにかなり前のことですもんね」と言った。 「あ、ごめんなさい。まだ、思い出せていないです」  わたしは顔を上げ謝った。  すると、高男さんの澄んだ目と目が合った。この目を随分昔に見たことがあるような気もする。高男さんは幼い頃から妖しげな雰囲気を纏っていたのかな。  けれど、思い出せない。ムササビのことは思い出したのだけど。 「あはは、そんな難しい顔をしなくても大丈夫ですよ。だって、店員の顔なんて覚えてないのが当たり前なんだから」  高男さんはそう言って柔らかい笑みを浮かべる。 「それもそうだけどわたしと同い年の店員さんなのに。あ、高男さんはその時も料理を作っていたんですか?」 「作っていましたよ。まあ、祖父母の助手って感じだったけどね」 「助手でも凄いな。わたしなんて今も助手以下なのに」 「あはは、俺はおじいちゃんとおばあちゃんに色々教わったからですよ」  高男さんはそう言って謙遜するけれど、同い年なのに優れているなと思うと何も出来ない自分のことが情けなくなる。
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