彩都とアヤメ

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ピシリと固まるゆう。化石みたい。 俺は特に気にもせずに続ける。 「《ほられる》とか、《ばりたち》とか…。あ、あと《ひしょじょ》?とかについても教えてほしいっ!」 「はっ?」 「あっ、でも、なんとなく分かるのもあるよ!《ネコ》はねこさんのことでしょ?《ばりたち》も麺のバリカタのことかな?って思ったけど、何か違うみたいだし…」 ゆうは目を見開いてこちらを見ると、バッと凄い勢いで優にぃを振り返る。 優にぃは気不味そうに目を逸らす。 ゆうは優にぃの肩を掴み、前後に揺らす。 「おい!あやの性教育どうなってんだよ!」 「いや、あんな可愛くて天使な彩都に教えられる訳ないだろ!!」 「よくあの容姿であんな純粋でいられたな…」 「当たり前だろ。俺が全部未然に防いでる」 ゆうはため息をついてこちらを見ると、真剣な顔つきに変わる。 それから頭に手を置いて、ポンポンとされる。 「…あや。お前にはまだ早い」 「え、なんで?」 「早いったら早いのっ!1000年経っても早い!」 「それもう、死んでるじゃん!」 「彩都、つまりそれは彩都の一生の寿命を100年としたら、彩都が老衰で10回死んで転生したとしてもまだ早いってことだな。けど大丈夫だ。俺は死んでも彩都とずっと一緒にいるつもりだから転生先も一緒だ。彩都と11回目の転生をしたら俺が手取り足取りじっくりとその意味を実践で教えてあげるよ」 「優にぃ…。じゃあ、ずっと一緒?」 「そうだよ。ああ、そういえば今世間では兄が弟に手錠をつけるという遊びが流行っているらしい。俺たちもしてみよu「着実に洗脳していくな!」」 「…?」 優にぃにゆうが掴みかかってる。犬が威嚇してるようにしか見えない…。 (手錠…。世間では兄弟でするのが一般的なんだなぁ。全く知らなかった。俺と優にぃがしたら、もっと仲良しになれるかな?) 俺は言い合いをしている二人の間にスッと両手を拳にして差し出す。 「「?」」 きょとんとして俺を見る二人。こういう時はシンクロするらしい。意外と相性いいのでは? 俺は背が高い二人を見上げながら、首を傾げる。 「手錠ぐらいでもっと仲良しになれるなら、いくらでもしていいよ?」 そして、ズイッと手首をさらに差し出す。
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