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「おい。何してるんだ」
「んー? 見て分かりません?膝に乗せてるんですよー」
「見れば分かる!なんでしてるのか聞いてるんだ!」
「えー、だって優さんだけずるいですよー」
「俺はいい!」
「なんて暴論だ」
なんだか二人仲良く話しているので、邪魔しないようにどこか行こうと思うが、ゆうがお腹に手を回してて逃げ出せない。
腕を解こうと力を入れるも、どんな馬鹿力をしてるのか、びくともしない。
諦めて脱力すると、背中越しなのにゆうがご機嫌なのが伝わってくる。
「…あ、」
ゆうがふと呟く。俺がどうしたのか尋ねると、ゆうは何でもないかのように爆弾宣言をした。
「俺、あやと同じ高校行くから」
「「…は?/え?」」
「ん、聞こえなかった?同じ高校に行くってことだけど…」
「いや、うん、それは分かる!けど…、なんでまた突然?」
「え、だって一緒にいたいし」
「それは嬉しいけど…。お互いに自立しないと「なんか言った?」…え?」
「俺はあやから離れるつもりなんてないよ。あやが行くところならどこだってついていく。…あやは嫌?」
「嫌…っていうか、なんというか…。うーん……」
俺は言葉を濁す。
ゆうがこんな風になるのは初めてじゃない。俺が離れようとするとこうなる。
ゆうが俺を必要としてくれてるのは嬉しいけど、俺って優にぃに甘やかされてきた自覚があるから、相当な甘えん坊なんだよね。
ゆうも俺を甘やかすから、本当に自立できなくなるんだよ。
将来が不安です、はい。
たまに俺から「お互い自立しない?」と持ちかけるも、こんな風になって結局まだ甘えてる状態です。情けない。
「…あや?」
「あ、ごめん。考えごとしてた。……俺は別に嫌なわけじゃなくて、というか嬉しい。けど、そしたら俺が将来、二人がいなくなったら生きていけない気がするんだよ」
「俺が養う」
「ダメ!そうじゃないの!ほら、自立って大切でしょ?俺も甘えてばかりじゃ駄目だし」
「たくさん甘えて?」
「も〜!ゆうがそんな事言ったら、際限なく甘えるんだからね!?本当に良くないんだよ、そういうの!」
「いいよ。もっと俺も甘やかしたい。…ね?優さん?」
「ああ。珍しく同意見だな」
「…う"ぅ〜……!」
ダメだよ、俺…!!
優にぃとゆうの圧が凄い…っ!でも負けるな!自立するんだ!たとえ何があろうとも!
「あや、プリンいる?」
「いるっ!!」
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