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彩都side
…と、まあそんなことがありまして。
今ではもうブラコンだということを隠すつもりは毛頭ないみたいですね、はい。
「彩都ー!ご飯できたぞー」
「はーい!」
ソファに座り、そんなことを考えていると、どうやら昼食の時間になったようだ。
優にぃが何やら大皿を持ってきたかと思えば、俺の前に置かれたのは…
「は、ハンバーグっ!」
きらきらと輝くデミグラスソース。今にも溢れんばかりの肉汁。ハンバーグの輝きで、今なら苦手なピーマンも食べられそう!……いや、やっぱり無理かも。
「ふはっ。彩都はハンバーグ、本当に好きだな」
「うんっ!優にぃの作るハンバーグが特に好き!真面目に考えても世界一美味しいと思う」
「はいはい、ありがとうな」
そう言って頭を撫でられる。優にぃの撫で撫では好きだ。料理もできて配信のサポートもしてくれて、更に癒し効果まで…!?
「…俺、優にぃがいないと何にもできなくなるダメ人間になってしまう……」
「……俺にもっと溺れてくれてもいいんだぞ?」
綺麗に微笑むものだから、その輝きで目が潰れてしまいそう…ッ!
「だ、ダメだよ、ダメ!もうっ、冗談でも言って良いことと悪いことがあるの!!
Can you understand!?」
「(冗談じゃないんだけど…)流石の発音だな。Yes,I can.」
「優にぃも人のこと言えないよ…?」
「…まあ、母さん達の子供だからな」
「確かに…。てか、今どこにいるんだろうね」
……おっと、今ここで「シリアスか!シリアスなのか!?」と思っている方々に訂正を。
俺たちの両親は生きてます。そして仲良しこよしです。
…で、まあ、なんで家にいないのかとかはですね…。
デデデデーン…!デデデデーン!!
「「!」」
この突如として俺のスマホから鳴り響く魔王の着メロは…!
「…母さんか」
ふう…、とため息をこぼしてから、電話に出る。
「もしもs『안녕하세요! 사랑하는 아들!(こんにちは!愛しの息子!)』……はあ。네네. 안녕하세요, 엄마(はいはい。こんにちは、母さん)」
優にぃが同情したように目を向けてくる。
「…今回“は”韓国語だったか」
「うん…。そうみたい」
優にぃと慰め合うような目線を交わす。
『잠깐! 들려?(ちょっと!聞こえてるの?)』
「はいはい。もう良いでしょ?」
『…まあ、確かに今回も合格ね』
「ソレハヨカッタデス」
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