修学旅行は思い出バスに乗って

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 僕の育ったこの街は昔から不思議な伝説がたくさんある。遊園地には過去に戻れるアトラクションや、もう一度だけ会いたい人に遭えるステージなどの都市伝説がある。学校にも病院にも商店街にもそんな不思議な都市伝説がいくつもある。一部ではこの街のことを、なんて呼んでいる人たちもいるらしい。  僕の人生に(おもり)としてのしかかってきていたこの心残りを消すことができるのは、もっと先のことだと思っていた。僕の残り時間は四か月以上あるかもしれないけれど、逆に一か月かもしれない。早ければ今月、来月には心残りがなくなり、楽になれるかもしれない。そのためには僕だけじゃなく、みんなで体験しないといけない。そうじゃないと、僕の心残りは消えない。それでもあの日止まった僕の時計は、余命宣告を受けたことでまた動き出した。  新しい奇跡を降らせるために。  
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