25のわたしと70の祖父

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「おじいちゃんが70歳になったよ。会いに来られる?」 電話口の母の声は穏やかで、私も短く「行くよ」と答えた。 答えたままにダウンジャケットをひっつかみ、そのへんに引っ掛けていた洋服を何着か詰めて新幹線に乗った。 東京はいい。 すぐにどこにでも行けるし、戻ってこられる。 有芽(ゆめ)の実家の最寄り駅からは、電車は1時間に1本しか出ないのだ。
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