2. ひとりぼっち

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2. ひとりぼっち

 爽やかに晴れ渡る5月の空の下、駅前広場は休日を満喫する人々でにぎわっている。  私はその光景を横目に、隣接するショッピングモールへ向かった。    まずは腹ごしらえをしよう。  寛人と一緒だったら、ブライダルフェアの試食があるから昼食は軽めにと思っていたけど、もうがっつり食べちゃうんだからね!  美味しそうな料理の写真にひかれて、洋食レストランに入る。  注文したビーフシチューランチは、お肉がホロホロですごく柔らかかった。  ブライダルフェアの試食は、牛フィレ肉とフォアグラだったっけ……? 食べたかったなぁ……まあでも、このビーフシチューに出あえたから、いっか。今度、寛人にもここのレストランのこと教えてあげようっと。  私はいちばん大きいお肉をパクリとひと口でほおばった。    レストランを出てモール内をブラブラと歩くけど、なんだか気分が乗らない。  ドレスが飾ってあるウェディングカウンターの前を通ると、行けなくなったブライダルフェアのことを思い出してしまうし、雑貨店やインテリアショップでは、将来彼と住む部屋を想像して商品を手に取っても、仲のよさそうなカップルが視界に入ってくると、途端に気分が落ち込んでしまう。  今までひとりショッピングなんて何度もしているのにな。デートの予定だったのに、隣に寛人がいないからそんな気持ちになってしまうのかもしれない。意外とドタキャンのダメージが大きかったのかも。今日はショッピングやめよう。  私はショッピングモールを後にし、実家方面の電車に乗り込んだ。
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