悲劇のはじまり

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悲劇のはじまり

戻ってこねえな。 煙草を吸っていても、少しも気が落ち着かない。 あんな女にはきっと二度と会えない。 トイレの前で待ってたらさすがに引くよな……。 「あれ? 冬弥。美耶ちゃんは?」 友達の一人は彼女の名前を知ってたらしい。 「美耶 「あの背のでかい茶髪の子。さっき別の奴と話してたけど」 「どこら辺にいた? 一緒に飲むって約束したんだけどな」 ……アイツに声を掛けるなんて、身の程知らずな野郎がいたもんだ。 あんなにもいい女、見た事も聞いた事もねえ。 「奥にVIPルームあるじゃん。あっちの方」 ……聞いた瞬間、嫌な予感がした。 そして、俺の嫌な予感てのは……ガキの時からだいたい外れなかった。
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