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バトル
私は恥ずかしい格好をして板挟みだ。
「うるさい。早く日本へ戻れ。本当に撃つぞ!」
ハイジャック犯役のシャオランが怒鳴りつけて自動小銃を構えた。
「キャッやめてェ。撃つなら機長を撃って」
思わずCA役のネムは影に隠れて、私を盾に使う気だ。グイグイと背中を押してくる。
「やッやめてくれ。撃つな。おいおい、後ろから押すな」
私は両手を挙げて降伏をアピールした。
審査員たちは知らないだろうが、シャオランの構えている自動小銃は自衛隊から黙って拝借してきた本物だ。
間違って撃たれては叶わない。
しかしネムは容赦なく反抗した。
「やめなさい。ハイジャック犯。大人しくしないと、こっちにはロケットランチャーがあるのよ!」
CA役のネムは私の影に隠れながら、ハイジャックに対してとんでもない事を言い始めた。
「な、なにィ、嘘つけェ。どこにロケットランチャーなんかあるんだ?」
しかしハイジャック犯のシャオランは辺りを見回し信じようとしない。
当然だろう。ロケットランチャーなどいったいこのコックピットのどこに隠してあると言うのだ。
「フフゥン、見てなさい。驚くなよ」
ネムはゆっくりと背後から私の胸の谷間に手を突っ込んだ。
「キャッどこに手を突っ込んでるのよ」
だが、すかさずネムはオッパイの谷間を探り出した。
「じゃッ、じゃッじゃァ〜ン」
まるでネムはみんなに披露するように私の胸の谷間から武器を取り出した。
手裏剣や刀剣だ。次々と危ない凶器を床にばら撒いていった。泉のように武器が溢れ出した。
「な、な、なんなんだァ。そのオッパイはァ〜ーーッ?」
ハイジャック犯のシャオランもあ然としていた。無理もない。あっという間に床には凶器が山のように積まれた。
「アレェ、おかしいわね?」
しかしネムは首をひねった。手裏剣や刀剣ばかりで、目的のロケットランチャーが出て来ない。
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