22 逡巡

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 家臣が受け取ったのは、レグナスの北部にいる彼の伯父あての書簡だった。  そのとき扉がノックされ、別の部下が顔を出した。 「到着しました」  低い声で告げられた言葉に、ルーサ-は機敏に立ち上がった。 「よし。会おう」  彼が向かった先は、砦の外れにある小屋だった。  その小屋の中で待っていたのは、ガダスに潜入していたルーサ-の手の者だった。  その小屋周辺は、ルーサ-の側近たちが囲って人が近づかないようにしていた。 「報告があります」 「言え」 「ガダス王は、イサラスと内通して同盟を組むつもりです。マギルもそれに追従するという話がガダスに入ってきました」 「そうか…」  暗い小屋の中で、壁板の隙間から入る光がルーサ-の水色の瞳を照らした。 「では、こちらに戻ってきて早々で悪いが、ガダス王に書簡を頼む」 と、ルーサ-は懐から、小さく折って紐で固く結ばれている羊皮紙を出した。  それを間者に手渡すと、 「今後の明暗を分ける。頼んだぞ」 と言って、間者の肩に手を置いた。
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