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25 戦線布告
それから10日ほど経って、マギル王の使者とレックスが面会した。
タイランからの親書には、「イサラス・チェロンの軍事同盟にマギルも加盟する」というものだった。
それを受け取った次の日、レックスはイサラスの北の砦から国境沿いにレグナス軍が集結していると知らせを聞いて、マギルに引き返す使者に対して援軍要請の書簡を託した。
イサラス城が慌ただしくなる中で、レックスはアイリーンの部屋を訪ねた。
「戦が始まるかもしれない」
レックスは窓際で外を眺めながら、言った。
「そうですか。他国の援軍は?」。
「今朝、各国に使者を出した。それでも、もっとも大きな軍勢のマギル軍が到着するのは、しばらくかかるだろう」
と、レックスはアイリーンに答えた。
(それまで持ちこたえられるか…。いや、持ちこたえてみせる)
レックスが湧きたつ不安を打ち消していると、アイリーンが声をかけた。
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