25 戦線布告

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「侵攻の理由は?」  ルーサ-は、しかめっ面をして見せた。 「王妃の拉致監禁、あるいは殺害容疑です。それで十分でしょう」 と、ヘイデンが答えた。 「よし。ならばすぐに会議だ!軍勢の展開について協議したい」   ルーサーの意欲的な発言に、ヘイデンは 「はい!」 と威勢よく返事してその段取りをするため、テントを出た。  ルーサ-はすぐにそばにいた側近の男に 「知らせは?」 と訊いた。 「こちらに届いております」 と、その男が短く答えると、ルーサ-は満足そうにうなずいて天幕の裏に消えた。  翌日の早朝だった。  レグナスの軍隊は、イサラスの国境に整列していた。  総大将のルーサ-が、兵士を鼓舞するスピーチをすることになっていた。 「ヘイデン。お前も私のあとに、一言、兵に言葉を」 ルーサ-はそう言うと、ヘイデンを伴い演台に立った。
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