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「侵攻の理由は?」
ルーサ-は、しかめっ面をして見せた。
「王妃の拉致監禁、あるいは殺害容疑です。それで十分でしょう」
と、ヘイデンが答えた。
「よし。ならばすぐに会議だ!軍勢の展開について協議したい」
ルーサーの意欲的な発言に、ヘイデンは
「はい!」
と威勢よく返事してその段取りをするため、テントを出た。
ルーサ-はすぐにそばにいた側近の男に
「知らせは?」
と訊いた。
「こちらに届いております」
と、その男が短く答えると、ルーサ-は満足そうにうなずいて天幕の裏に消えた。
翌日の早朝だった。
レグナスの軍隊は、イサラスの国境に整列していた。
総大将のルーサ-が、兵士を鼓舞するスピーチをすることになっていた。
「ヘイデン。お前も私のあとに、一言、兵に言葉を」
ルーサ-はそう言うと、ヘイデンを伴い演台に立った。
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