25 戦線布告

5/7
前へ
/148ページ
次へ
 ヘイデンの部隊は中央に集まっていた。  ヘイデンが演台に上がると、彼らは「おおー!」と叫び声を上げた。  ルーサ-は腰の剣を抜き、空に付き上げた。 「諸君!今日が新たなレグナスの出発である!」  ルーサ-はそう叫ぶと、振り向きざまにヘイデンの腹を刺した。ヘイデンが抵抗しようと動く前に、ルーサーは反対の手で短刀を抜き、ヘイデンの喉を刺した。  ヘイデンは人形のように倒れ、演台から落ちた。  辺りは、一瞬水を打ったような静けさとなった。  次の瞬間、大きな騒めきが起こったがそれもすぐに静かになった。ヘイデンの部隊は、その周りにいたルーサ-の部隊から一斉に槍や剣を突き立てられたのだ。 「諸君!よく聞くがいい。本日をもって、このルーサ-・レグナスがこの国を背負う。承服できないものは進み出よ!この場で切り捨てる!」  ヘイデンの配下の軍隊は、誰一人騒ぎ立てるものはいなかった。
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加