27 夜風

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27 夜風

 晩餐は、盛況のうちに終わった。  ノエルたちに後片づけを任して仕事がひと段落すると、アイリーンは、明日はイサラス城を離れなくてはいけないことを思い出して、感傷的になっていた。  このまま素直に父の言いなりになってガダスに帰るという気持ちになれなかったとき、レックスから中庭の散歩を誘われた。  酒が入って火照った頬に、夜風が気持ち良かった。 「今日は、あなたのお陰で晩餐が成功しました。なんとお礼を言っていいか、分かりません」  レックスはそう言うと、固い表情のままアイリーンの隣をゆっくりと歩いている。  「お役に立てて嬉しいです。…あなたも、いろいろお疲れ様でした」  アイリーンが労りの言葉を駆けると、レックスはアイリーンを見た。  食い入るように彼女を見つめている。
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