calling calling

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 そして迎えた土曜日、私は城咲と待ち合わせをした球場へと向かった。 今年の我が地元球団は順位が低迷しており、今日の対戦チームも低迷中。所謂最下位争いの真っ最中だ。それ故か、球場周りのファンの客足は疎らだった。  城咲が現れた。十年ぶりに会う城咲に対して何の感慨もなかった。 付き合いがほぼ皆無だった人間と久しぶりに会ったところで、どう思えば良いのだろうか。 実質、初対面のようなものだ。一応、大人の礼儀として社交辞令の挨拶をしておくことにした。 「ああ、久しぶり。変わらないね」 そうは言うが、城咲の姿は卒業アルバムの小さな写真で見たものしか知らない。あんな小さな写真と今の姿を見比べても、老けたかそうでないかはわからないものである。 「潮田くん! 久しぶりだね! あんまり変わってないね! まだ若いよ!」 お世辞で言っているとは思うが、褒められて嬉しい。私は少しだけ胸が熱く感じてしまった。 「じゃあ、行こうか」  野球の方であるが、最下位争いのチーム同士だけに点を取って取られてのシーソーゲームの展開であった。 お互いに攻撃も守備も長い試合展開となっていた。試合の序盤こそ、守備中にはお互いの近況を話し合い退屈をすることもなかったのだが、中盤を過ぎた辺りで話のタネが切れ、お互いに無言で試合を見る羽目になってしまった。 実質初対面の人間と野球を見ることがこんなにもつまらなかったのかと言う驚きしかない。 試合展開についての話をすればよかったのかもしれないが、スポーツニュースや新聞のスポーツ面での勝ち負けや有名選手の記録を斜め読みしかしない私には試合展開について話を広げる程詳しくはない。 せめて城咲が野球に詳しくて解説者のように話してくれれば、それについて相槌を打つだけでも良いのだが、城咲は基本はダンマリ。正直なところ、無言が続き気まずいとしか言いようがなかった。
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