復讐の始まり

45/118
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/195ページ
食事を済ませてシャワーを浴びる。 さっぱりしたところでテレビをつけた。 『本日午後6時、ダイカーン帝国が声明を発表。 一方的に宣戦布告を行いました。 宣戦布告の様子は……。』 いよいよ戦争が始まるんだね。 大銀河連合が発足して18年か。 戦争がなかったのは18年間ってことよね。 まあ、小競り合いは絶えなかったとはいえ宇宙大戦を考えれば平和だったわけよね。 「戦争……か。」 戦争孤児である私にとって戦争はある種の禁忌。 どんなに平和を願ったことか。 それが再び破られ戦火に突入すると知ると、とても複雑な気分になる。 お師匠様の仇を討ちたいと思う私。 もし私が【ブラックホエール】を討ったとして、私の様にその仇を討ちたいと思う人が出るのかもしれない。 その復讐の連鎖が広がっていつの間にか引くに弾けない泥沼へと進んでいく。 それが戦争。 嫌という程身に染みてる事だけど……。 「引き返す訳には行かない!」 わかっていても許せない。 例え復讐の連鎖を産むとしても、私は【ブラックホエール】を討つ!! 私からお師匠様を奪ったアイツを許す訳には行かない!! 再びドス黒い炎が全身を焼き始めた。 いてもたってもいられない私は筋力トレーニングを始める。 時間は午後9時を回った頃。 私は1人黙々と筋トレメニューをこなしていった。
/195ページ

最初のコメントを投稿しよう!