復讐の始まり

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「ここよね。」 マンションの一角、角部屋のドアを目の前にして呟いた。 さっきの怪しい人が入っていった部屋。 動画撮ってたし、絶対何かあるよ。 とはいえ真正面から入る訳にも行かないし……。 うーん、こういう時はまず中の様子を探らなくちゃね。 私は聴診器を取り出すとドアに当てた。 聴診器はお医者さんが体の音を聞くためのもの。 でも、こうやって壁やドアに当てると中の音が聞こえるスグレモノ。 こんなところを人に見られると怪しさ大爆発だけど、まぁ今はそんなこと気にしてられない。 部屋の中の様子を探らなくちゃいけないからね。 「……は、警察だらけだ。 例のものは見当たらない。」 例のもの??? 話し声が聞こえた。 例のものってことは何かを探してるってことよね? 「時間は無い、すぐにでも行動に出るべきだ。」 どうやら言い争いっぽくなってる。 音が反響してるので、声色までは分からないな〜。 複数人いるんだけど何人かまでは特定できないよ。 さて、どうしよっか。 彼らが何らかの関わりあることはこれで確実。 私も彼らも時間が無い。 と、なれば直接聞いてみようか。 私はドアを開けた。 銃を構え中の様子を見る。 男の人が3人、流石に固まっていた。 「動かないで! 話の続きを聞かせて貰えるかな?」 男たちはお互いに顔を見合せた。 一体何が起こってるのか分からないと言う顔だね。 「あなたたちがコレデさん殺害の犯人なのはわかっているの! 何を探しているの? 教えてもらうわよ!!」 私は玄関先から声をはりあげた。 これ以上中に入ると3人で襲ってくるとも限らない。 1人づつ相手なら何とかなるからね。 これ以上近づく訳には行かないよ。 私は3人の動きに注意を向けた。
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