3人が本棚に入れています
本棚に追加
/207ページ
2時間後、リベンさんと共にゲートに向かう。
途中下車するためだけど、やっぱり名残惜しいな。
そんなことを考えながら降車の手続きを済ませた。
宙港は賑わっていた。
人も沢山いて迷子になりそう。
やっぱりK-SGIとは違うね。
「こっちだ、はぐれるなよ。」
荷物を持ちながらリベンさんが誘導してくれる。
これ案内無かったらきっと迷子になるやつだ。
リベンさんが一緒でよかったよ。
それにしても流石大都市N-GYAの港。
規模も違えば人の数も違う。
N-GYAでこれなんだからO-ADO中域はもっとすごいんだろうな。
私迷子にならずに特務機関IYAに参加できるんだろうか?
今更ながらに落ち込んでしまう。
生まれてこの方、K-SGIから出たこともなかったんだもん。
宇宙旅は今回が初めて。
「まさに井の中の蛙だったんだね。」
自分で言うのもなんだけど、そうだったんだと実感してる。
チケット売り場に着くとK-SGI行きのチケットを購入。
出発は明日の午後。
と、言うことは……1日ここで過ごさないといけないのか。
まだ船は到着してないみたいだもんね。
「今夜は港で泊まることになるな。
よし、宿をとろう。」
手慣れた感じでリベンさんはコミュニケーターを操作する。
しばらくして。
「よしとれた。
早速向かうか。
荷物も置きたいしな。」
「あ、うん。」
確かに荷物は置きたい。
そんなに多くはなくたって、いちいち持って歩くのは気が引けるもんね。
リベンさんがタクシーを捕まえて、宿まで移動した。
その宿っていうのが……。
「え?
ここ???」
昔の古民家を利用した宿みたい。
大きな屋敷ではあるんだけど、なんというかホテルとは雲泥の差だった。
「ああ、俺がよく利用する旅館だ。
露天風呂とかあってくつろぐぞ。」
「露天風呂?」
何それ???
お風呂のことみたいだけど……。
まあ、船の浴室みたいに味気ないものじゃなさそうならいいんだけどな。
タクシーを降りると、私たちは大きな玄関から入っていった。
最初のコメントを投稿しよう!