第 1 章 ~ 強者 ~

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コンコン…… 「お師匠様、朝食の準備が整いました。」 私は部屋のドアを開けた。 部屋の中は薄暗い。 1歩中に入ると……。 カチャ…… 額に鉄の冷たさを感じる。 「お、お師匠様?」 「あれほど周りに注意しろと言っている。」 額に当てられたのは44マグナムのレプリカ。 今どき珍しい火薬式の銃だ。 「だって……。」 お師匠様を起こしに来ただけだもん。 周りに注意なんて……。 「どんな時でも注意は怠るな。 戦場で生き残りたければな。」 そう、お師匠様は銃の名手。 戦争が終わった今はスイーパーとして活躍してる。 まだまだ厄介事は絶えないからね。 いつもお師匠様はこんな感じで、今でも戦場に居るみたい。 もう戦争は終わったのにね。 「今日の特訓は特別メニューをしてもらう。」 「ええ?? 特別メニュー……ですか?」 「気配を探る訓練だ。」 「ええ……。」 いつもの体力作りと射撃練習の他に 特別メニューもやるの?? まあ、でも必要なんだよね。 戦争が終わったって言っても、まだまだ平和には程遠いし。 生き残るためだもんね。 齢十余年。 まだまだこれからだよね。
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