第 1 章 ~ 強者 ~

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食事を終え、私は洗い物を済ませる。 その間にお師匠様は身支度を整えていた。 「お出かけですか?」 「ああ、何大したことでは無い。 昼までには帰る。 午前中はいつものメニューをこなしておけ。」 お師匠様がそう言うと、コートを羽織家を後にした。 「神様、お師匠様がどうか無事に帰ってきますように。」 神棚もないけど、お空にお願いする。 独りぼっちの寂しさは言葉では表せない。 大切な人を無くす辛さはもうコリゴリ。 お師匠様が危険な仕事をしてるのはわかってる。 だから見送る時はお空にお願いしてるの。 ………どうかご無事で……… 戦争が終わったとは言え、まだまだいがみ合いややっかみ事が後を絶たない。 そんな厄介事を引き受けてるお師匠様。 お仕事の詳しいことは教えてくれないけど、何となく肌で感じるの。 いけない。 だんだん思考が暗くなる。 しっかりしろ、私!! 私は自分の両頬をパチンとすると、洗い物を済ませた。 洗い物を終えた私は、いつものメニューをこなす。 先ずはランニング。 小柄な私は体力をつけないと、銃の反動に耐えられない。 ランニングを10kmほどやると、今度は腕立てと腹筋。 20回1セットで5セットやる。 その後スクワット100回。 とにかく体力作りだ。 それが終わる頃にはヘロヘロになってるんだけど、その状態での射撃訓練。 もうね、ヘロヘロだから銃の衝撃で倒れそうになる。 それがいつもの日課になってるの。
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