久し振り(幽霊編)

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久し振り(幽霊編)

「美奈子。美奈子・・・」  誰かに呼ばれている。  美奈子はうっすらと目を開けた。  そこには美奈子が小学生の時に亡くなってしまった父親が心配そうな顔をして座っていた。 「あれ?お父さん?久しぶり。」 「美奈子。久しぶりって、そんなことを言っている場合じゃないだろう。とにかく、服を着てくれ。」  小学生の時には亡くなる直前まで一緒にお風呂に入っていた美奈子とお父さんだが、さすがに大学生の娘の全裸は眩しすぎる様だった。 「わぁ!嫌だ。ちょっと後ろ向いててね。」  亡くなったはずの美奈子の身体がすうっと浮いて、急いで部屋着のスウェットを着た。 「久しぶりに会えたのに、少ししか話せないんだ。今ね、香ちゃんがこの部屋に来るよ。そうしたら、すぐに救急車を呼んでくれるからね。」 「え?私死んじゃったんじゃないの?お父さんと普通に話せてるし。」 「今はちょうどあの世とこの世の間にいるってところかな。よかったな。あんな男にやられなくて。お父さん冷や冷やしちゃったよ。」 「よかった。私、まだ綺麗な体のままなんだね。でも、死んだらもう意味もないか。」 「大丈夫だ。まだ完全に死んでいないから。お父さんが急いで呼びに来たのは美奈子の意識を少しでもこの世に残していく為なんだ。」 バタ~ン!!  大きな音がして、美奈子の部屋のドアが開いた。
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